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岩槻郷土資料館の鉄筋コンクリート部分の内部が装飾性をもつのに対し、木造部分は、巡査詰所、留置室、調室、刑事室、宿直室などであったためかほとんど装飾のない実用的といえるようなつくりとなっています。
留置室は巡査詰所の奥に設けられ、鉄格子はそのまま残っており、建物外側からは見ることができます。
演武場は、現在壁をつくり、2室に分割して使っていますが、大きく改修されず残り、西側には半円状の神棚も残されています。
こうした木造の建物が大きく改修されることなく残っていることは、とても珍しい例といえ、貴重なものといえます。
「旧岩槻警察署附属掲示板」は、平成21年、道路拡張工事によって、現在の敷地南側に移設されましたが、元は正面の玄関前にあったものです。
太い丸柱の間を三面のガラス扉を設置した掲示板で、警察署本庁舎と同様のデザインが見られます。「岩槻警察署改築工事概要」に「附属掲示板」とあることから、本庁舎と同時に建てられたものです。
昨年、平成28年8月、国登録有形文化財に登録された際、各部屋に岩槻警察署竣工当時に使われていた部屋名を掲げています。
資料館で、かつて使われていた部屋をご覧いただき、当時をしのんでいただければと思います。
なお通常は1階部分の見学ですが、2階や屋上なども見学できる機会を設けますので、市報や博物館HPなどをご覧ください。
学芸員 小倉 均
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