岩槻の魅力再発見 「東京・小岩からの慈恩寺みち①」

私が慈恩寺までの道しるべをたどり始めたきっかけは、今から15年ほど前。家族と台湾へ出かけたときでした。
現地の日月潭玄奘寺で見かけた展示ケースには玄奘三蔵と玄奘寺、そしてにある慈恩寺との関係が記された文がありました。内容は以下のとおりです。

倉持秀峰大僧正納骨塔(元埼玉県仏教会会長、真言宗智山派管長)
『玄奘三蔵法師の霊骨は1942年、日本軍により南京で発掘され、日本に一部分骨されました。
当時 全宗教 奉国会 局長の大僧正は、玄奘三蔵鑽仰(さんごう)会を設立し 分骨された法師の霊骨の奉安に努力した。
また1955年に台湾仏教会の分骨申し入れに対して 各方面と協議のうえ訪台、奉持したものである。 
これらの徳により大僧正の没後台湾仏教会の要請にもとずき、ここ玄奘寺に分骨された。
教育評論家・ふくろう博士 古川のぼる 』

この文を読んだ時、私が子供の頃(昭和30年代)ラジオで岩槻慈恩寺の三蔵法師の話題が流れていたことや、中学生の頃に慈恩寺道標が江戸川区北小岩にあると聞いていたことを思いだしました。
私は戦後に東京都江戸川区で生まれ育ち、以降今日まで江戸川区南小岩に在住しております。
この道標を手がかりに辿れば小岩から慈恩寺に行けるのではないかと思い、道しるべとなる道標の調査を始めることにしました。
これを機に小岩から岩槻へのむかし道である慈恩寺みちを多くの方々に知って頂けたらと思います。(つづく)
【榎本淳三郎】


※追記

東京・小岩からの慈恩寺道①後半
「台湾の玄奘寺」

※8月号記載文書の後半部分を次月号で掲載しておりませんでした。 追加で掲載しておきます」
今回は、きっかけとなった玄奘三蔵に関連する玄奘寺や玄光寺などについて紹介させていただきます。                                

台湾の玄奘寺は、台湾の内陸のほぼ中央に位置する日月潭湖岸の山中に建っています。
慈恩寺よりおくられた玄奘三蔵法師の霊骨を安置するために、台湾仏教協会が昭和40年(1965年)に創建しました。    
孫悟空として西遊記で知られる、玄奘三蔵は西暦600年(602年とも)河南省洛陽で生まれ、当時は15歳からの入門とされた試験で、その帰依の熱心さを認められ13歳で僧侶になりました。
その後、長安で高僧に師事をして仏教を学びました。
26歳(628年)の時、仏教の奥義を極めるため、唐から1人で出国しました、長安から天竺迄およそ3万kmの道のりを、昼夜問わず歩き、ある時は屍を道しるべとしたそうです。
艱難辛苦のすえ、天竺(インド)にたどり着きました。
その地で仏教を深く学びその教義を会得し、43歳(645年)の時に仏教の経典657部や仏像などを長安に持ち帰りました。
その後、長安の大慈恩寺で天竺までの道のりを書きしるした大唐西域記を編纂し、またサンスクリット語の経典(大般若心経)などを翻訳して、仏教を国の内外に広め65歳(664年)で亡くなりました。 

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