寄稿 正座で疑似体験 「感覚障害」の不自由さ

 愛風の久毛です。以前、少しだけ「感覚障害」について書きましたが、今回はもう少し深堀りします。

 正座によ長時間、正座をしていて立とうとしたら、足がしびれてしばらく動けなかった…という体験をしたことはありませんか?り足の感覚を担う神経線維が圧迫されて、一時的に機能しなくなる。正座をやめれば圧迫はとれて、神経はもとの厚みをとりもどし、きちんと電気を通すようになるので戻ります。感覚神経が機能していないときには、足の先を触っても、さわっていることもまったく分からない。ヒザをくずしてしばらくすると、じんじんとしびれが感じられるようになる。その時に触られるとピリッとして「いたたたた」という状態に。(「さわらないで〜っ」と言いたくなりますよね?)このとき、立ち上がろうとすると、足がどのような形になっているのか自分ではまだわからないので、ねじってしまったり、力がはいらなかったりして、上手に歩けない…。それを過ぎてやっと、元の感覚に戻ってくる…。
 まさに、この経過で分かることが、体制感覚の重要な役割です。身体がどのような形でいるか、身体が何かに触れているかどうか、それを知ることができなければ、思うように身体を動かすことはできないのです。感覚をつかさどる器官は、皮膚や筋肉などに存在する受容器と、そこから脳に刺激を届ける神経と、脳です。どの部分が壊れても、感覚は機能しません。 正座の後の足のしびれを思っていただければ、感覚障害を負ってしまった方の不自由さは、想像しやすいかと思います。の神経は正常で感覚の神経が損傷するという場合もあります。その場合、膝を動かそうと思えば曲げ伸ばしはできます。ですが、とても雑になります。体制感覚からの情報があってはじめて、運動の強さや細かい角度などの調整が可能になるからです。お酒などで、脳が機能低下をおこせば、まっすぐ歩いているつもりでもふらついて千鳥足になります。このように、感覚障害があると、なめらかで正確な運動が阻害されます。   感覚のありがたさは失ったときにはじめてわかります。どうぞ、みなさま、自分の手、足、皮膚…。さわってみてください。さわっている場所が分かる、温度が分かる、やわらかさが分かる、目をつむっていてもさわろうとしたところをさわれる…。
 これらはいずれも当たり前ではなく、感覚が正常に機能しているから成せることです。どうぞ感謝してお過ごしください。 
    【愛風・久毛】

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