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残暑が厳しい9月です。
夏の大三角の中に見える十文字星は、西洋では大神ゼウスが変身した白鳥に見立てられています。
夜空の頂(いただき)で羽を大きく広げて羽ばたくように輝くさまは、全宇宙を支配しているように感じられます。
十文字星から南斗六星に向かって雲のような白っぽいものが見えたら、それは天の川です。
さて、8月下旬に秋分を迎え、日暮れは早くなってきました。
20時ごろには暗くなり、東の空には秋の夜空の目印となる秋の四辺形が昇ってきます。
みな2等星なので、夏や冬の大三角ほど目立ちませんが、計りの枡(ます)に見立てた「ますがた星ともよばれていたこの星たちは、秋の目印として印象に残ります。
また、時期を同じくして輝くのは、枡に盛った余分な米をかき落とす斗掻き棒に見立てた「とかき星で、収穫の秋にふさわしい組み合わせの星たちです。
西洋では、それぞれ天馬ペガススとアンドロメダ姫の姿に重ねられました。
生け贄にされるアンドロメダ姫を、ペガススに乗った勇者ペルセウスが救うという神話の登場人物たちが映し込まれています。
日没とともに現れるカシオペヤ座は、一晩中、北極星を巡りながら輝きます。
現在の円形に数字が並ぶ時計は、15世紀前後に発明されたようですが、W形、数字の3形、M形、ε(イプシロン)形と、形を変えながら北極星を巡るカシオペヤ座を見ると、もしかしたら時計はそのような見立てからできたのかも、と思えてきます。
星座の移ろいゆく空を模したのが時計と思うと、なんだか腕時計にも夢がありそうですね。
【さかい】
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