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「2019年9月9日の午前1時半ごろ、強風で突然屋根が飛んだと思ったらすぐに停電。
それから3日間、市役所とは電話もつながらなかったので、この地域の住民たちだけでなんとかするしかなかった」
台風15号で甚大な被害が出た千葉県館山市布良(めら)地区。
テレビが入るより前に、ジャーナリストの堀潤さんらがいち早く現地入りし、その惨状を動画ニュースで発信。
それ以降、支援物資を持った人々が次々と房総半島の南端であるここ布良を目指しました。
私が13日にミニアンパンやクリームパンを300個ほど持って行ったところ「もう乾パンやクラッカーは食べ飽きた。こういう甘いパンは本当にうれしいね。」と、物資の配布所となっていた富崎公民館の勢見勝美館長は話してくれました。
「今必要なものは?」という問いに「何日も停電が続いているから、みんな乾電池をほしがっている。
市役所に頼んでも何にも来ない」という答え。
布良から10キロ以上離れた館山市内に向かうと、停電は復旧していたものの電池の販売には制限があり、一人6個までしか買えませんでした。
埼玉で電池やあんぱんを大量に調達し、16日にふたたび布良に向かうと、今度はものすごい大雨。
実は大雨洪水警報と避難勧告も出ていたのですが、防災無線も停電で止まっていたため、誰もそのことに気がつきませんでした。
公民館に「家の中が雨漏りでびしょびしょなんです。助けてください」と高齢の女性がやってきましたが、勢見館長の答えは「この大雨の中でのシート張りは危険です。避難所に行ってください」というものでした。
雨漏りが続くと家財道具や畳が全部だめになり、家が丸まる水没したのと同じ状況になるのです。
せっかく自衛隊が隣の浜に設営してくれた風呂も、防災無線が機能しないため周知されず、あまり利用はされませんでした。
「停電で真っ暗な生活が何日も続き、風呂にも入れない。
まるで原始人の生活だよ」とは布良で聞いた声です。
次の台風に備えてのアドバイス
①電池式ランタンを一人一個と多量の電池を備蓄
②火災保険(水災特約付き)・地震保険には必ず加入
③行政をあてにせず一週間以上を生き延びる「水・食料」を備蓄
④車のガソリンも、残り半分になったら満タンに給油。
【さいたま市防災アドバイザー・加倉井誠】
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