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前号(22年2月号)の続きとして。
脳の神経細胞が死滅することで、その細胞が担っていた機能が果たされなくなり出てくる機能不全が「片麻痺」です。
左側の脳細胞が死滅すれば、右側の上下肢、左側の顔面筋、言葉などに障害をきたすことが多いです。
脳がそのように機能分化しているからです。
今は、脳のどの部分が何を担当しているかわかっていますので、CTやMRIをみれば、どのような障害が出るのか、個人差はあるにせよおおむね予想がつきます。
程度の差はありますが「痙性麻痺」が出ます。
これは、思いどおりに手足を動かそうとするのを阻害する要因となります。
健康であると気づきませんが、私たちの身体は、思いどおりの運動をするために、筋肉をちょうどよい硬さに保つ機能や力を発揮させるためにその筋肉の反対側にある筋肉を緩めるような調節を「反射」という原始的な仕組みで行っています。
痙性麻痺は、その調整が不全になる状態です。
ですから、本人にとっては動かそうとしても思いどおりに動かなくなり、指を1本立てようとしたとき、他の指も一緒に動いてしまうといったまどろっこしい状態になります。
他人がその様子をみていると、奇妙に見えるかもしれません。
痙性麻痺は脳卒中だけでなく、他の原因でおこることもありますが、いずれにしても奇妙に見えるので、昔は恥ずかしいと思ったり、家族が隠そうとすることもあったようです。
身体的な機能の障害に加え、社会的な障害も受ける要因でした。
社会の目がもう少し温かくなれば、社会的な障害はなくなります。
少し奇妙に見える動きであっても、自分で歩こうとしたり、買い物しようとしたりしている人に、自然に「お手伝い必要ですか?」と声をかけたりできるようになれば、障害を抱えていらっしゃる方々の心理的負担は大幅に軽減されるでしょう。
だって、みんな同じですから。
私も高齢になれば、まっすぐに歩けなくなり、ふらついたり、腰が曲がったりするようになるのです。
【愛風・久毛】
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