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99年前の1923年9月1日に起きた関東大震災。
地震の後には大規模な火災が発生し、人々がパニックに陥るなか、「朝鮮人が井戸に毒を入れている。火をつけている。」というデマが流れました。
都内の本社が焼けてしまった東京日々新聞は、いち早く浦和で新聞の印刷を再開。
皮肉なことに、「不逞鮮人各所に放火」などという誤った記事を出し、デマの流布に拍車をかけてしまったのです。
このデマを信じ込んでしまった人々は、各地で自警団を作り不審な集団を見つけようと血眼になりました。
そして怪しい集団を見つけると、「15円50銭と言ってみろ!」と叫んだのです。
清音と濁音の区別がはっきりしない朝鮮語の特性上、「じゅうごえんごじっせん」は、朝鮮人には発音が難しい日本語でした。
ほかにも、「『ぱぴぷぺぽ』、『がぎぐげご』と言ってみろ」や、「君が代を歌ってみろ」という問いかけもあったと言われています。
犠牲になったのは、日本語が不自由だった朝鮮や中国の人ばかりではありませんでした。
地震から5日後の9月6日、福田村(現在の千葉県野田市)では、香川県から薬の行商に来ていた15人が自警団につかまりました。
讃岐弁が朝鮮語と誤解され、子どもを含む9名が犠牲になってしまったのです。
映画監督の森達也さんは、この福田村事件を映画にしようと取り組んでいます。ドキュメンタリーで有名な森さんにとっては初の劇映画で、公開予定は大震災から100年となる来年の2023年です。
現在、クラウドファンディングで制作資金の提供を呼び掛けています。
今でも大規模な災害の後には、必ずと言っていいほど「外国人窃盗団が出没」などのデマが流れます。
100年前に犠牲になった方たちを忘れず、その過ちを繰り返さないためにも、私はこの映画の製作が成功することを願っています。
映画の詳細は「福田村事件 映画」で検索。
【さいたま市防災アドバイザー・加倉井誠】
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