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岩槻郷土資料館では、二月末から岩槻で行われる「まちかど雛めぐり」に合わせ、「土笛・土鈴~音の出る郷土玩具」と題し、三月二一日(月)まで、さいたま市立博物館に所蔵されている郷土玩具のうち、土笛や土鈴など音の出る郷土玩具、およそ一〇〇点展示しています。
今回はその展示資料の中から、「土笛」を紹介しましょう。
土笛は、古くから子どもたちに親しまれた玩具で、土人形作りとともに様々なものが作られてきました。
その中で、特に鳩笛は各地で作られています。
鳩は八幡神社の御使いとされ、京都の石清水八幡宮、鎌倉の鶴岡八幡宮など八幡神社で授与品としてみられます。
元は「国分八幡宮」と呼ばれた鹿児島神宮の鳩笛も有名です。
古いものは手びねりで作られていたようですが、現在は型を用いて作られています。
青森県の下川原人形の鳩笛は、子どもが土をなめることによって虫封じに効くとされ、古くから親しまれてきました。
新潟県の水原土人形の鳩笛は首が青く塗られているものと塗られていないものが一組になるようです。
名古屋土人形の笛は他の産地の型をとりいれ鳩笛だけでなく、多くの種類の笛がみられます。
この他、山口県では下関の名物ふぐをかたどった土笛があり、白黒の彩色で、丸みをもった形に大きな目をもち、ユーモラスな姿を見せています。
ふぐは地元では「フク」と呼ばれ、幸福の象徴とされています。
またかつて捕鯨が盛んであった高知や長崎では鯨の土笛もみられます。
今回の展示では、土笛の音色を聞いていただけませんが、資料の姿から、その音色を想像していただけたらと思います。
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