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岩槻郷土資料館の1階「くらしの道具」の展示室に「祭」の文字を金糸で刺繍した紫色と赤色のまわしが展示されています。
このまわしは、岩槻区笹久保にある八幡神社に奉納される古式土俵入りで使用されたものです。岩槻区内には釣上にある神明社に奉納される子ども相撲もあり、「笹久保の古式土俵入り」「釣上の古式土俵入り」とそれぞれが埼玉県の無形文化財の指定を受けていました。
両者は平成17年2月21日に「岩槻の古式土俵入り」という名称で国指定重要無形民俗文化財に指定されています。
両者とも地区の男子が化粧まわしをつけ、土俵に上がり諸役に分かれ、古くから伝わる土俵入りの型を演じます。これは子どもの成長と作物の豊作を願った行事といわれています。
参加できるのは地区の満6歳から15歳までの長男でしたが、近年は小学校6年生までの子どもたちが参加するようになりました。
笹久保では隔年9月15日に、釣上では10月21日に行われていましたが、最近ではそれに近い日曜日に行われています。
祭りや子どもの成長を願い相撲を取ることは各地で行われているようですが、「笹久保」と「釣上」の「古式土俵入り」は様式化された土俵入りだけが行われているところに特色がみられます。
こうした土俵入りは、埼玉県内ではのこの2つが伝承されているだけであり、地域的な特色を示しているとともに古い形の土俵入りの型を残しており、貴重な行事といえます。
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