地下鉄7号線延伸 荻野社長の思い(前編)

2022年1月29日付の朝日新聞・埼玉版で、さいたま市の「2022年度当初予算案」に関する記事が掲載された。
記事は「選挙公約で掲げた埼玉高速鉄道の延伸構想に関わる経費を大幅に増やしている」と伝えており、地下鉄7号線の岩槻延伸に向けて「浦和美園と岩槻を結ぶ埼玉高速鉄道の延伸構想も関連費に過去最大の1億5186万円を盛り込んだ。
延伸区間につくる『中間駅』周辺のまちづくり調査などに投入する」とも記載されていた。
延伸実現どこへ向かっているのか。
その現在地について、埼玉高速鉄道株式会社の代表取締役社長・荻野洋氏が関係者向けに公表した寄稿文を1面と4面で紹介していく。

「岩槻延伸についての考え方の整理」
(埼玉高速鉄道株式会社 代表取締役社長・荻野洋氏)

●行政的流れ
昨年6月に、清水市長が「令和5年度中に鉄道事業者に対する要請を行い、4年の任期中の出来るだけ早い時期に鉄道事業者が申請手続きに入れるように努めていく」と表明されました。
これは、今までにない画期的な表明で、いよいよ延伸を行うという意思表示をされたのです。
間違いなく、この表明以後延伸に向けての動きが活発になってまいりました。
さいたま市は「ヒト・モノ・情報を呼び込み、東日本の未来を作る対流拠点都市」を目指し、様々な施策を展開しております。
市のマスタープランである総合振興計画においても、岩槻延伸は重点戦略として位置づけられており、当社への要請に向けた「工程表」も発表されました。
さいたま市が東日本の対流拠点都市となるためには、広域的な鉄道ネットワークの整備が大変重要との考えが強く表明されております。
延伸につきましては、埼玉県知事とさいたま市長が昨年4月と7月に意見交換を行い、県と市が密接に連携を図り、必要は役割を相互に果たしながら協働して取り組みを進めることになっています。
そして、7月に「自治体連携会議」を設置し、この会議において、県・市の部局長級職員による要請時に必要な「都市鉄道等利便増進法に基づく速達性向上事業に関する素案」の策定作業を行っています。

●鉄道事業者の受け皿の体力づくりと、当社にとっての経営的メリット
当社は2014年に事業再生を行い、それ以後黒字を継続しています。
社内留保金も相当程度を蓄積し、何があっても潰れない体力づくりに努めてまいりました。
当社としては、この延伸区間を運行事業者として機能し、事業性のある線区として維持していくことには、客観的に見ても問題は全くありません。
当社は、浦和美園駅を終着駅とするいわゆる「ひげ線」です。
これは、街の成長ともに利用人数もえますが、街の成長が止まれば利用人数の増加も止まります。
流山線沿線のケースや小田急線新百合ヶ丘、東急線あざみ野などの街は、世代交代の難しさに直面しています。
鉄道の利用客の永続的利用をもたらすのは、利用客の多様化であり、それは「結節点」を持つことです。
岩槻という「結節点」を持つことでヒト・モノの交流の多様化と永続的発展を期せます。
「利便増進法」という法律は鉄道事業者にとって積極的に活用すべき法律です。
延伸区間ではない「既存線」(赤羽岩淵~浦和美園)の部分でもお客様の量は増えるわけですが、その「既存線」の増加分を新線の「受益相当分」に加えることができます。
「既存線」の部分に体力があれば、これを容易に受益分として新線部分には配分できるのです。(成田空港線と京成線のケース)
当社は、旅客の主体は「通勤・通学客」ですが、朝夕は混雑しても昼間はガラガラの状態です。
鉄道の効率化とはこの昼間の空気輸送を埋めることなのです。
昼間を埋めるのは「観光客」であり、だからこそ、京王電鉄は高尾山を、小田急は箱根を、西武は秩父を、東武は日光を宣伝するのです。
いずれ「自動運転」が導入されてきますが、これにより乗務員の経費を固定費的概念から変動費的な概念に移すことができます。
これは、乗務員をことさら減員するのではなく、その需要に応じて、また、業務の変動に応じてシフトの組み合わせを変動させる仕組みとなりますのでより柔軟な経営ができます。(「固定費の変動費化」)は経営の普遍的方向です。社員の皆さんはこの点をよく理解してほしい。)
当社と直通運転している南北線、東急目黒線、相鉄線の進化は、今後も目覚ましいものがあります。
当社のお客様の利便性も高まります。
まず、東急線の新横浜駅直結が来年度にあり、その年度末に相鉄線が当社線に乗り入れてきます。
南北線は品川駅へ大深度地下で乗り入れ、リニアに直結します。
品川乗り入れでは、京急羽田空港線にも乗り換えられます。
そして、すでに8両化の工事(信号機の移設、ホームドアの拡張等)は終了していますので順次、8両編成になります。
これには、県による当鉄道の再生計画の実施により、相互直通運転という各社間のルールを守ることができたということが大きく寄与しています。
さいたま市として、これに乗り遅れることは、許されないことでしょう。
「ラストワンマイル構想」と「MaaS」の組み合わせにより、これからは、スマホを使って輸送手段を鉄道から先の輸送手段(バス、タクシー、レンタカー、Uberなど)と宿泊・買い物などを含めてのシームレスにつなぐことが、これからは主流になります。
当鉄道会社は、その最先端のお客様サービスを目指したいと思います。

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