今後の岩槻観光ならびに 顧客の誘致について

①ガイドの現状
観光についてはガイド会の立場で分析すると、その70~80%が60歳以上の中高年である。
ガイド会に申込みをする団体の多くは、いきいき埼玉未来大学の史跡めぐりクラブやシニア大学や歴史研究会の会員が多い。
一方、ガイド会で自主運営の健康ウオーキングや、英語で岩槻散策などでは個人や友人同士の集まりが多く、中高年の婦人が多い。
現状での余力はあるが、あまり金を落とさない人達が多いのが実情である。
少し前までは団体の幹事が調べて、老舗のふな又やほていやで昼食を取るのが多くあったが、最近は予算の関係か、昼までに終わらせたり、豆腐ラーメンとなることも多くなった。
会社を卒業してシニア大学等の研修や勉強に参加しているが、懐が豊かとは言えない様子である。
土産についても言われれば案内するが、今までは鈴木酒造(試飲をして買ってもらう)、時の鐘最中や田中屋での和菓子をガイドの途中で付き合ったこともあったが最近は少ない。
和菓子屋さんに寄るのは女性のお客さんが多いときで、男性はほとんど関心がない。
鈴木酒造は 今はコロナの関係で試飲が出来ず、こちらも見学主体となっている。

②他の観光地
私が何度か尋ねてみたところで「観光客が多くすごいな!」と思っているのは「川越」である。
お城でみれば、太田道灌が造った城跡があるもの、岩槻には及ばないし「城跡を目的にしているお客は川越には多くはいないのでは?」と思っている。
川越の史跡は喜多院と見世蔵の通り(火事で明治以降のもの)を小江戸と命名し見せているが、実態はほとんどが土産屋や食事どころ、立ち歩きのアイスなどである。
時の鐘もあるが、歴史的に言えば岩槻の方が古く、岩槻は火事の被害も最小限であるが、川越は高い位置にあり、火事の際は梵鐘の被害が大きく、明治時代に造り直している。
11月の2週には未来大学川越学園が岩槻に来てガイドをした。
口々に言われたことは川越より史跡が多いのに「観光客が少なく宣伝不足だ!」と言われ、もっともだと思った。
また、8月末に久しぶりに飛騨高山を訪問した。
こちらももしコロナでなければ、お客で混雑していたはずが、岩槻並みに歩きやすいほどお客は少なかった。
お店に入って岩槻と大違いであったのが、店員のほとんどは若い人(女性が多い)で、いかに普段は若い人が多いかの証拠であると思った。

③岩槻の現状
いわゆる観光地とは、若者が集まるところと言っても過言ではない。
では、岩槻はどうであるか?
私が見たイベントで岩槻にこんなに若い人が集まるのかと思ったのは、夏祭のお成道久保宿を通行止めにしての屋台と文化公園で実施されていた花火大会である。
まちかど雛めぐりにも人は集まるが若者は少なく「どのくらい食事や買い物に貢献しているか?」「何かデータ分析したものは存在するのだろうか?」と思っている。

④私の提案
どの観光地であっても、まずはターゲットを若者に向けている。
若者に取って魅力の足りない岩槻に新しい引出しがほしい。
歴史をたどれば、明治時代の初めまで、岩槻は近隣の買い物客が多く集まり、木綿の集荷地でもあった。現在も、問屋の重要文化財の見世蔵や船問屋も残っている。
木綿と言っても若者には関心はないかも知れないが「コットン」と言えば、やり方によっては若者を集めることが出来ると信じている。
以前、ある会議で年配の方からコットンについては否定されたが、パネラーの女性からは「赤ちゃん用や子供用があればうれしい」と言われた。
例えば、岩槻駅近辺の街中で空き家を改造してコットンショップを若者に貸し出す。(郵便局のある通りなど)
中身は若者主体で「ミニ原宿」となれば受けると思う。
できれば製造も岩槻内で実施して、どこかに人形の絵なり、刺繍をワンポイントで入れて、岩槻を強調してあればうれしい。
現在、木綿の産地(繊維への加工)は会津や静岡にあり、東京にも専門店がある。
スタートが大変であるが、SNSやテレビまた雑誌などに事前情報を流し、マスコミに訴えることが必然である。
もちろん観光協会や物産観光協会にもお願いをする。
若者が集まれば、まちかど雛めぐりや鷹狩行列も、必然的に人が集まり観光地として 柱ができる。
有名タレントが岩槻なら参加したいと思えるようになれば成功である。
第2ステップとしては、建設規制をして武家屋敷を再現、できれば南九州・知覧の武家屋敷並みになれば、お客は集まるようになる。(武家屋敷の一部でも良いので賛同してもらい、30~50年くらいのスパンで)その頃には真福寺貝塚が公園となっているであろう。
街ぐるみで実施なら平泉の駅から毛越寺までの街並みがよいサンプルと思う。
大きな変革には、明治維新ではないが若い人の気力や体力が必要である。
リーダーは せいぜい40歳くらいまでの若者で、長い目での計画を建てられる人が理想だ。
製造者、販売者は 衣服関連の大学に求めたり、公募する方法もあり、若者を中心となりコットンの起業から軌道にのるまで、スケジュールを立て、5年単位で見直しすればよいのではなかろうか。
最後に、近頃のテレビ番組の埼玉観光は 川越、秩父、長瀞、行田になっており、さいたま市が少ない。県とさいたま市で 認知度を高めるためにも埼玉の総合観光政策を期待したい。
そして、岩槻の発展を心より願っている。
【岩槻観光ボランティアガイド会 会長・三ッ元一郎】

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