ペットの野良猫、モンタ物語「僕は捨て猫、モンタです」
第46回 『モンタヘの手紙』
ペンネーム キカン坊
モンタヘ
とつぜんモンタだけをるすばんにのこして、でかけてしまってごめんね。
いままでむかえにこないで、ごめんね。
モンタはいままでどうしていましたか、げんきでしたか、からだもおおきくなりましたか。
モンタはあたまがいいから、どこかのいえでかわいがられているのかな、わたしのことなど、もうわすれてしまったかな、わたしはあれからまいにちモンタのことがきになって(いつもどうしているんだろう、ちゃんとたべているんだろうか)って、いつも、いつも、がっこうへいってても、かんがえてばかりいました。
いえにかえっても、モンタがいなのでたのしくありません。
がっこうもともだちがいません。
モンタにあいたくても、こわいおっちゃんたちがみはっているといわれて、モンタにあいにくることができませんでした。
こんど、またひっこすことになりました。
なんか、とおいところだそうです。
こんどのいえもせまくてネコをかってはいけないそうで、モンタといっしょにくらせないのだそうです。
ごめんねモンタ、とおいところにいくまえに、どうしてもモンタにあいたくて、モンタにあやまりたくて、おかさんにむりをいってつれてきてもらいました。
おかあさんは「もんたにあえてもつれてはいけないんだよ、かえってかなしいおもいをすることになるんだよ」っていわれました。
でもモンタにあいたい、もしあえなくても、あのあとモンタがどんなふうにくらしたのかをしりたくて、きてしまいました。
いまここにいると、モンタといっしょにあそんだことや、たのしかったことが、いっぱい、いっぱい、おもいだします。
モンタ、いまでもげんきでいるんだね、きっとときどきここにもどってきているんだね、ずうっとわたしのことをまっていてくれているんだね、なんかそんなきがします。
でもごめんねモンタ、もうむかえにくることができないほど、とおいところにひっこしていきます。
モンタにあいたかった。
でも、あえなくてよかったのかな。
あたらしいおふとんをもってきました。
ごはんもいっぱいもってきました。
モンタのおへやをきれいにそうじしてかえります。
ごめんね、モンタ
いつまでもげんきでいてね。
さようなら、モンタ
でも、あいたかったな。
モンタによんでもらいたくて、ぜんぶひらがなでかきました。
久子より
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