(ふしぎな玉は、どうやら植物のたねみたいです。きれいな芽が出てきました)
そのつぎの日も、さやちゃんとたっちゃんは、ポテトチップスをたべながら葉っぱを見ています。
「あっ! たっちゃん、ポテチ こぼしたよ!」
「ぼく こぼしてないもんね」
そういったたっちゃんの口から、ポテチのかけらが、また ひとかけおちました。
すると、かけらはすいーっと空中をおよいで あの葉っぱのまんなかへ消えたのです!
葉っぱが、ひゅるひゅる、きゅるん! といって、ふるふるっとふるえました。

ふたりは大声でおかあさんを よびました。
「あらまあ! これは新種の動物かしら?」
おかあさんもびっくりです。
ふたりは せなかが ゾクゾクしました。
おとうさんが、かえってきました。
おとうさんが 小さなポテチのかけらをおとすと、ポテチはまた、葉っぱのほうへ。
そして、くるくるっと うずをまいてから、消えたのです。
葉っぱはまた、ひゅるひゅる、きゅるん!といって、ふるふるっとふるえました。
「このうずまきは、テレビで見たことがあるぞ。……台風の渦巻き? わかった! これは台風の目だ!」
「台風の目?」
三人が、自分の目を ゆびさしながら たずねました。
「台風のあかちゃんさ。このまえの台風のあとでひろったんだろ? きっと、あのときの台風のおとしものだよ」
「あらまあ! ずいぶんかわいい台風ねえ」
さやちゃんとたっちゃんは、かわりばんこにポテチをおとしました。
ひゅるんっ! きゅるんっ! ふるふる……
台風の芽は、“もっとちょうだい!”と、葉っぱをふるふるさせています。
たっちゃんがいいました。
「あしたはコンソメあじにしてみようよ!」

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