「コミュニティの変容 60年代と現代の差」

読者の方々は「コミュニティデザイン」という言葉をご存知だろうか。
1960年ごろから使われているため、一度は聞いたことがある方もいるかもしれない。
しかし、現代での意味合いは当時とやや異なる。
現代的な解釈を理解するためには、一度「コミュニティデザイン」という言葉を分解する必要がある。
初めの「コミュニティ」は、地域社会や共同体を意味している。
続く「デザイン」は、ある課題を解決するための設計または設計にもとづき他者へ向けて表現をすることを示している。
つまり、どう見えるか感じるかが重要ではなく、どのようにして解決まで導くかが大切なのだ。
ではなぜ、1960年頃とは解釈が変わってきたのか。
理由にあるのは「コミュニティ」そのものが持つ課題の変容だ。
戦後の日本では広く「ニュータウン」と呼ばれる、都市郊外型の大規模な住宅供給がおこなわれた。
これによって従来は人が住んでいなかった場所に、多くの人たちが密集して暮らすようになった。
さらに、住環境が変化するにつれて、コミュニティーセンターのような人がつながる空間や施設を併せて整備する必要があった。
しかし、行政が一方的に整備した施設では住民のニーズに合わないものもあり、利用しづらく使われなくなってしまうものもあった。
そのため1980年以降には、住民の意向を取り入れた住民参加型の施設デザインが行われ、時代の課題解決するべく各地の空間や施設が整備されていった。
そして、2000年代に入ってからは、新規の「ハコモノ事業」が少なくなっていった。
少子高齢化により人口も減少してきたため、自治体の財政はどんどん厳しくなることも予想される。
では、何をすべきかといえば「モノを作らずに『コミュニティデザイン』をする必要があるということだ。
例えば、すでにある公園を面白くするために何かをしようといった、テーマ型の人のつながりを生み出すことが今後のコミュニティの在り方になるのではないかと憂う。
【さいたま市若者会議 代表・尾舘祐平】

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