多くの特撮作品が作られている日本。
有名になった作品も多いが、もちろん不発に終わってしまった作品も数多く存在する。
特に仮面ライダーが社会現象にもなった1970年代はヒーローバブル期と言えるぐらい多くの作品が制作された。
その中の一つ「突撃!ヒューマン!!」を紹介したい。
1972年に放送された「突撃!ヒューマン!!」は、日本テレビ系で放送されたヒーロー番組である。
ストーリーは、子供達や仲間たちに危害を加えるキングフラッシャー率いる悪の組織フラッシャー軍団を体操教師である主人公の岩城淳一郎がヒューマンに変身し救う、といういたってシンプルなものだ。
特筆すべき点は、舞台の公開録画として放送された作品であったことだ。
このやり方は当時放送されていたドリフターズの「8時だョ!全員集合」や音楽番組と同じ方式だ。
特撮作品にありがちな、火や水を使った演出はもちろんできない。
そのため、イリュージョンなどのいわゆるステージマジックを用いた舞台劇として収録され放送された。
これだけ聞けば、けっこう面白そうなものだが、放送回数がわずか13話で終了している。
先にも上げた仮面ライダーの裏番組だったので視聴率が全く伸びなかったのである。
さらに、悲劇はこれ以外にもある。
収録したマスターテープが別の番組に上書きで録画されてしまったため、当時放送された映像がほぼ残されていないのだ。
そう、まさに幻のヒーロー作品なのである。
また別の機会に詳しく書いていきたいと思うが、このような番組が多く作られたからこそ、今の特撮があると思うととても感慨深い。
【うえぽん】
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