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日本映画の特撮作品の中でも特に異彩を放つのは「大魔神」ではないかと思う。
「大魔神」「大魔神怒る」「大魔神逆襲」で構成される大魔神3部作として知られるこの作品は1966年に大映京都撮影所で製作され、時代劇と特撮が巧みに融合されたストーリーが特徴の人気シリーズである。
それぞれの作品は独立したエピソードを持っている。
しかし、最後の展開では決まって、悪人が陰謀を巡らせて民衆が虐げられると神として人々に崇められ、穏やかな顔をした石像の大魔神が急に般若のように変わり復活し、破壊的な力を発揮して悪人を倒すのだ。
最初の「大魔神」は、同じ大映撮影所で製作された「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」との特撮2本立てで公開された。
これは、日本で初めての試みであった。
配給収入は1億円を突破し、大ヒットした。
しかし、製作予算1億円もかかってしまったから、結局トントンで利益がなかったというから驚きである。
もちろん、2作目や3作目も当然製作予算がかかりすぎてしまったため、ガメラのように長く続く作品にはならなかったのだが、当時は制作にとても時間がかかる大規模なブルーバックの合成技術をふんだんに使っており、当時撮影していた人たちのこだわりと熱量が画面越しから伝わってくるようだ。
今の世の中にこの大魔神がいたのならば、誰が鉄槌を喰らうのだろうか?
想像してみると面白いような、怖いような。
【うえぽん】
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