4月に就任 長谷川司新区長に聞く

市報さいたま区版5月号の「こんにちは区長です」で、初めて岩槻の区長が長谷川司さんに変わったことを知った方も多いだろう。
新区長の区政への思いや考え方、さいたま市における区の権限や岩槻区の方向性についての考えを、もっとくわしく区民へ知ってもらう必要があるとの思いからインタビューを打診。
執務中の区長室でお話を伺った。
【編集部・奥山】

――最初に長谷川区長の行政職の簡単な経歴を教えて下さい。

長谷川区長(以下、区長)昭和62年に岩槻市役所に入り教育委員会に配属。農政課を経て、岩槻市役所での最後は広報広聴課でした。
合併直後は市長公室広報課。
その後、総務局や見沼区、岩槻区の総務課、そして市長公室広報課長として2年間勤めるなどして、今年、2022年の4月から岩槻区長となりました。

――旧岩槻市からの合併時の状況や経過など簡単にでも教えて下さい。

区長 合併は岩槻市民に対して行った住民投票の結果をもとに決まりました。
色々な考えの方がいたと思いますが、次の3つの中から市民が選択した結果でした。
(①さいたま市との合併、②春日部市を含む1市3町との合併、③合併しない)

――本庁での勤務も長かったと思いますが、その視点から見て後から合併した岩槻区の立場について感じる点はありましたか。

区長 後から合併したから不利とかは感じていません。
逆に岩槻市がそのまま岩槻区になった有利さはあるので、そこをどのようにして活かすかだと思います。

――さいたま市における区の立場や区長の権限、任期について教えて下さい。

区長 簡単に言えば、区の行政は市民と直接的にかかわりをもつ機関と考えて下さい。
区役所にある各窓口の多くは区民の相談事や手続き業務を受け付けて、それぞれ本庁と連携して住民サービスを提供する仕事になります。
又、区長は行政職であり住民の選挙で選ばれる訳ではないので権限は限定されます。
任期は1年毎の更新になっていて必ずしも再任が約束されているわけではありません。

――区長の行政職は分かりますが、任期が1年毎更新ではどこの区長でも独自のまちづくりの取り組みは難しいのではないですか。

区長 確かにそれはあります。
区の中で新規事業を行いたい場合は財政局への予算要望をして認められる必要がありますので、早くても次年度になります。
限られた市の予算枠の中で、10区から出てくる要望項目の中で認められるだけの内容と説得力を持たせる必要があります。

――市報区版5月号にある岩槻区のまちづくりについてお聞きします。令和4年度のまちづくり推進事業予算が2億2984万円とありますが、新区長の独自色を出せる事業予算はありますか。あったら何をしたいですか。

区長 ここにも書いてある通り、街路灯やカーブミラー、道路の緊急修理などで総事業費の8割以上を占めていて、各種や身近な生活に関する経費などある程度使い道が決まっているのが現状で、独自事業の予算は、それなりの議論を経ないと作れないので大変難しいと思います。
でも、限られた予算の中でも工夫によってできる事はあります。
岩槻区役所の職員はそれぞれがたくさんのアイデアを持っていると思っています。
私をはじめ職員全員で、それぞれが担当する業務内容と目的を再確認して住民サービスに努めていきます。

――区長のコメント欄で「自然と歴史、を守り育て楽しむまち」を岩槻の将来像として書いていましたが、限られた任期と権限の中で何を優先にして取り組んで行きたいと考えていますか。

区長 これまで広報部門の職歴が長いので、先ずはその経験を生かして岩槻区が持っている自然と歴史、文化や独自の魅力を、政令指定都市や、東日本などの都市とつながりをもっているさいたま市としての大きなパワーも最大限活用して最新情報を継続的に発信して行きたいと思っています。

――情報の発信は大変重要な事だと思います。そこで提案があります。岩槻では数多くのイベントの開催がありますが、各々が限られた人材と予算の中で運営しており、広報や情報の発信力が少ないのが現状だと思います。各イベントの自主性は生かしながらも、岩槻の総合的な魅力を発信するためのプラットフォームは作れないでしょうか。

区長 世の中には情報があふれています。
その中でも目に留まるような広報や情報発信の仕方を考えないといい情報であっても埋もれてしまいます。
情報発信のプラットホーム作りは面白い取り組みだと思いますので、行政主体ではなく既に行っている組織や団体さんとも一緒に考えていければと思っています。

――岩槻区内で行っているそれぞれのイベントを総合発信する場合の戦略として、例えば、「岩槻春祭り」「岩槻夏祭り」「岩槻秋祭り」「岩槻冬祭り」の岩槻の四季の祭りとしてポスターを作って継続的に発信し、埼玉高速鉄道や東武鉄道とも連携できる企画の形に持って行けませんか。

区長 情報発信のプラットホーム作りや、岩槻の四季の祭りとしての鉄道会社を巻き込んだ情報発信には興味があります。
さいたま市の中でもたくさんの魅力をもつ岩槻区に多くの方々に来てもらい、住んでいる人にとっても、住んでいてよかったと思えるようなまちに、少しでも近づけるように努力していきたいと思っています。

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