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小説の舞台は9代将軍・徳川家重の時代で、御側御用人として仕えた岩槻藩主大岡家の初代藩主、大岡忠光の時代の小説である。
多くの時代劇小説では、言葉の不自由な将軍家重の発する言葉の意味を理解し、幕閣に伝え、大きな影響を与えていたことから悪者として取り上げられている。
しかし、実際には領民思いの温厚篤実な名君であったらしい。
本書の作者である眞々田昭司氏は、“あとがき“にもあるが岩槻生まれの岩槻育ちである。
地元の岩槻よりも海外の方が詳しくなるような生活を続けてきた。
歳を重ね、遅ればせながらも地元の事を調べ始めて大岡忠光という魅力ある人物を知り、悪者役で終わらせる訳にはいかないと考え本書を書きあげたようだ。
物語は、ら・みやびに寄稿(現在休稿中)の岩槻地方史研究会(飯山實氏)が書いていた。
岩槻の旧町名やお店の名前も出てきて地元の者には親しみやすい。
江戸岩槻藩から岩槻に赴任した若者(輝之進)が実績を上げ、江戸務めとなり藩主忠光の勅命を受け難問を解決していく展開では、作者の経歴にある武術家、治療家の知見が随所に活かされていて読みごたえがあり、一気に読み終わってしまった。
最後に「続く」とあるので、続編が待たれる。
購入は、水野書店(岩槻区本町4丁目/048・756・0112)。
または、ネットショップ「ママ先生の新気功著作販売を検索。
【編集部・奥山】
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