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最近見かけることの少なくなった「上棟式」が、岩槻城址公園近隣の住宅地の一角で行われた。そこは「日本の伝統建築 人生後半の住まい」という看板が目を引く場所だ。
材木商、建築業を営む木の博物館「木力館」の館長である大槻忠男さんの木材への熱い思いが形となった住宅でもある。
木材を求めて全国各地を訪れた大槻さんの約半世紀にわたる経験から導かれたのは、木は「土地の気候風土に合ったもの」で「樹齢の長いもの」が建築材として適しており、品質も高く「丈夫で長持ち」するというものである。
そして、国産材の活用は、林業の活性化や国土保全に役立ち、CO2排出量の削減など環境への効果も高い。
国産材は高価であるという先入観もあるが、住宅建築の費用に占める木材の割合は少ないため、建築費が大幅に上昇することはないという。
現代の住宅は、建材に化学物質が多用され、高額な機械設備が使われている。これらを生産するエネルギーは膨大だ。資源の持続的活用が図れる伝統的建築法は自然素材を活かしたエネルギー消費の少ない工法だと改めて気付かされた。
【編集部・小澤】
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