店長ウメカゲの「今なの?!」第42回 酉年の巻

明けましておめでとうございます。
今年も万代書店を宜しくお願いいたします。
今年2017年の干支と言えば酉年であり、年賀状にも雀から孔雀までいろいろな鳥のイラストが描かれているのを見たが、やはり鶏が一番多かった。
日めくりカレンダーなどを見ると1年の毎日に、子の日、丑の日、寅の日と十二支が当てられていて、今年の元日は子の日であった。
12日に1回来る酉の日に開かれる市を酉の市と呼ぶが、特に毎年11月に酉にちなんで浅草の鷲(大鳥)神社開かれた物が発祥とされ、全国の神社や寺で「酉の市」という物が開かれ、商売繁盛を祈願して露店では威勢のいい手締めと共に縁起熊手が売られるのは年末の風物詩となっている。
ここで言う酉は大鳥=鷲であり、「おおとり」と言えば他には鳳(鳳凰)もあり、中国では「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」と故事にある通り小さい鳥は燕や雀、大きい鳥は鴻=コウノトリや鵠=白鳥をイメージしているようだ。
酉年の鳥と言うのは本当に鶏でいいのだろうかと疑問に残る。
今年の干支は酉というのは本当は間違いで、十二支ならば酉だが干支と聞かれれば「丁酉(ひのと・とり)」と答えるべきである。
今年の元日も正しくは暦に「戊子(つちのえ・ね)」と書かれているはずである。
干支と言うのは十干・十二支の略で十二支はお馴染の子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥のことだが、十干は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸を意味している。
昔は成績のランク付けに使い、今でも契約書では対象に甲乙丙丁を記号として使うが、十干では甲から癸まで序列があるわけではない。
十干とは安倍晴明で有名な陰陽師の基本的な考え方である陰陽五行説に由来する。
陰陽五行とは世界は「木・火・土・金・水」の5個の元素からできていて、さらに全ての物には陰と陽の2面があり対を成すという考えである。
十干は甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)、丁(ひのと)、戊(つちのえ)、己(つちのと)、庚(かのえ)、辛(かのと)、壬(みずのえ)、癸(みずのと)と読み、甲乙、丙丁、戊己、庚辛、壬癸がそれぞれ木火土金水の陰陽を意味し、「(きの)え、(きの)と」の「え」「と」は漢字では兄弟と書くが、これは「え」「と」の音を持ち「陽陰」の対を成す「兄弟」の字が充てられた物である。
そして十干と十二支を組み合わせていくと「甲子(きのえね)」、「乙丑(きのとうし)」、「丙寅(ひのえとら)」、「丁卯(ひのとう)」から始まり「庚申(かのえさる)」、「辛酉(かのととり)」、「壬戌(みずのえいぬ)」、「癸亥(みずのとい)」まで60種類ができる。
この60種類の干支を年に充てていくと60年で暦が1周還ってくるので、60歳のお祝いを「還暦」と呼ぶのである。
西暦や年号が成立する前は、この60年を基準に年を現していく「干支紀年法」が使われていて日本史の教科書にもよく出てくる。
例えば埼玉県行田市の稲荷山古墳で出土した鉄剣は5世紀頃に関東地方まで大和朝廷の力が及んでいた資料として教科書に載っているが、この鉄剣には「辛亥年七月中記」とあり「辛亥(かのとい)年」は最近だと1971年、そこから60の倍数1500年を引いて471年を示し5世紀頃との解釈になる。
中国の辛亥革命も1911年で1971年の60年前である。
日本最初の戸籍「庚午年籍は「かのえうし」で670年、大友皇子と大海人皇子の「壬申の乱」も「みずのえさる」で672年と古代でも正確に年を知ることができる。
1868年の「戊辰戦争」も慶応4年=明治元年だが当時は「つちのえたつ」の方が分かりやすかったのだろう。
最近は「干支紀年法」が話にでることもないが惜しいチャンスがあった、「甲子園球場」は1924年「きのえね」の年にできたので甲子園と名づけられた、そして1985年に阪神タイガースが優勝するが、もし1年早かったら1984年と「甲子」の年でもっと騒がれただろう。
あまり知られていないが万代書店にはスタッフがボクをイメージして描いてくれた、鳥のようなイメージキャラクターがいる。
せっかくの酉年なのでもっとアピールしていこう。

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