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岩槻郷土資料館では、2020年2月末から岩槻で行われる「まちかど雛めぐり」に合わせ、「こけしの美」と題し、さいたま市立博物館に所蔵されているこけしを展示します。
展示は2月22日(土)~4月19日(日)までの期間となります。
こけしはロクロを用いてつくられた東北地方の郷土玩具です。
東北地方を南北に連なる奥羽山地などに沿って、多くの産地が分布し、福島県土湯、宮城県遠刈田、鳴子、作並などが代表的な産地となっています。
もとは子どものおもちゃであったものが温泉などのお土産となっていったようです。
大正末から昭和の初めに人々の蒐集の対象となり、こけしの同好会が生まれ、会誌や研究誌なども発行されるようになりました。
球形の頭部と円筒状の胴部による単純な形態を示しているこけしですが、その産地によって、形や顔の表情、胴部に描かれた文様などに特色がみられます。
また頭部や胴部の形態にも差異が見られます。
現在では、こうした文様や形態、そのルーツなどから大きく一一の系統に分類されています。
胴部が細く、頭に蛇の目模様を描き、胴部にロクロ線を入れる「土湯系」、頭部に放射状の飾りが描かれ、なで肩で胴部が細身になる「遠刈田系」、櫛形の前髪、胴部には菊などの花の紋様を描く「鳴子系」、頭部はらっきょう型、胴部はどっしりとし、一本の木から作りだす「木地山系」、裾が広く、胸部に膨らみをもち、頭部をおかっぱに描く「津軽系」などがみられます。
今回は様々な系統のこけしを展示しますので、その素朴なつくりの中に見られる美しさや作りの違いなどを見ていただきたいと思います。
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