岩槻城主『太田資正公』の魅力発信による「まちづくり事業」の報告

岩槻城主『太田資正公』の魅力発信による「まちづくり事業」の報告
「資正公の魅力が多くの人の想いを引き付けた~生誕500年祭を2月に開催」

岩槻城4代城主太田資正公は、『年代記配合抄』によれば、1522年2月2日生まれとされ、令和4年2月に生誕500年を迎える事となりました。
これを記念し、実行委員会(32名の委員で構成、2年にわたる準備のもと「さいたま市マッチングファンド助成事業」受託)では令和4年2月20日(日)に「さいたま市民会館いわつき」を会場に関連団体の演武発表や講演・パネルトークを開催しました。
さいたま市内外から250名以上の方が集まり「学びと感動」の時を味わいました。当日のプログラム内容や関係の方々の声をお伝えし、振り返ってみます。

●太田資正公の魅力
「太田資正公」は、上杉謙信と盟友を結び北条氏と戦い豊臣秀吉と通じた関東の名将として豊臣秀吉と通じた関東の名将として知られています。
500年前の戦国時代の岩槻のお話しが江戸時代の軍記物で取り上げられています。エピソードを2つ紹介します。

【伝令犬を使った知将;エピソード1】
資正は幼少から犬か好きであり、岩付城と松山城で50匹ずつの犬を飼っていた。松山城で裏切りがあった際に、岩付城に飛脚を出せない中、犬の首に手紙を入れた筒を結わえて連絡し、見事苦境を脱することができたという逸話

【北条に屈しない反骨の忠臣;エピソード2】
「忠義」「反骨」「武勇」の3拍子の資正像!日の出の勢いの北条氏になびかずに、上杉氏に仕えた。
“岩付千騎”という精鋭部隊を鍛え上げ、率いたという逸話

●参加した市民の方々から大きな反響が寄せられました
参加された市民の方は、さいたま市内から160名、埼玉県内25名、東京都など県外40名という内訳でした。
また、6割の方が50代から70代の郷土の文化や歴史に関心を寄せる方々でした。
「演武や演奏(60%)」、「パネルトークや講演(76%)」、9割以上の方から「内容が良かった」という評価をいただきました。
具体的には、「企画が練れていてとても楽しめた」、「歴史と地域が融合している様子を知り地元に誇りをもった」、「伝統芸能(5団体)を堪能できた」、「郷土芸能を演じる若者登場や姿はとても良かった」、「排禍囃子(茨城県石岡市)・黒奴(岩槻区)には歴史の重みを感じた」、「太田資正公の魅力が伝わる講演やパネルトークだった」、「資正公の紙芝居『戦国・智勇の将 太田資正』が良かった」。
その他として、「時間が圧縮されていて残念でした、午前中から開催されていれば」、「物販のコーナーがあればもっとよかった」などでした。

●出演5団体の紹介 ~コロナ禍を払い、皆さまのご健康を願う発表会となりました

■和太鼓演奏 やまぶき道灌太鼓(今回10名で参加)
2009年に結成、岩槻区の花にちなみ、「やまぶき道灌太鼓」と名付けました。
岩槻の歴史、伝統をモチーフに組太鼓を創作し、和太鼓を通じ歴史ある人形のまち岩槻を元気に盛り上げるため、まちかど雛めぐり、岩槻まつり、岩槻区民祭り「やまぶきまつり」をはじめ地域振興のために活動しています

■奴振り演舞 岩槻黒奴保存会(今回8名で参加)
2010年に保存会を設立。
その昔、岩槻の黒奴は久伊豆神社の神幸祭・神輿渡御の先に立ち岩槻城内、城下を練り歩いた。
現在は「鷹狩行列」をはじめ、岩槻区内の各種イベントに参加するとともに子どもたちへの伝統継承にも積極的に活動している。
「奴」といえば、江戸時代から日光の赤奴・甲府の白奴と並び日本三奴とされてきました。吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

■演武 本格格闘甲冑集団―式―(今回6名で参加)
本格格闘甲冑集団―式―は2015年に結成。
突き、斬り、当て、格闘技、武道の経験者を中心として構成されています。
躍動感があり緊張感のある演武は、メンバー同士の真剣勝負の中から生まれ、生の迫力を追求する実践演武となっています。
会員の創造性あふれるアドリブも随所にみられるものです。吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

 

■演武 上州真田武将隊(今回9名で参加)
群馬県沼田市を拠点に地域ゆかりの武将や姫により結成された、沼田市観光協会公式の戦国武将隊です。
上州真田家の居城であった沼田城址公園をはじめ県内外各地に出陣演武やおもてなしなどを通じて地域のPR活動を行っています。
SNSなどで定期的に情報発信をしています。

■お囃子 片野排禍囃子保存会(今回13名で参加)
戦国時代、現在の石岡市の片野城主に太田資正公がなったのちに、武運を祈るために片野に八幡神社を建立されました。
その際に禍を排して繁栄を願う意味から「排禍ばやし」を奉納したと伝えられています。
片野排禍囃子保存会では、片野八幡神社の祭礼や柿岡城の祭りに奉納されるなど活躍されています。

●関係者の声

■加藤広隆さん(岩槻黒奴保存会、岩槻区渋江)
今回、太田資正公生誕500年祭に参加させていただき、太田資正公という武将の活躍ぶりを知ることができました。
また乱世戦国時代をともに戦い生き抜いた資正公に関わる人物、城址・城跡、神社仏閣などのゆかりあるものなど学べ、改めて岩槻の歴史の深さを感じることが出来ました。
約二年コロナ禍のためすべてのイベントが中止になり黒奴の出番がありませんでしたが、このイベントで岩槻黒奴を紹介出来たことは保存会一同深く感謝しております。郷土の歴史を学びそれらを伝承する我々の活動とイベントを重ね、とても感慨深いものがあります。

■齋藤廣一さん(やまぶき道灌太鼓、岩槻区表慈恩寺)
太田資正公生誕500年祭、誠におめでとうございます。
きめ細かいスケジュール、コロナ禍での感染予防対策、出演団体へのご配慮など、実行委員会の皆さまのこれまでのご努力を感じる舞台でした。
私たちは、和太鼓の演奏を通じて、岩槻の歴史、伝統・文化などの魅力を多くの方にしてもらいたいという思いで活動しております。
今回のイベントの主役である資正公は、太田道灌公の子孫にあたる岩槻の歴史上重要な人物です。
このような素晴らしい舞台で演奏させていただけ大変光栄でした。

■500年祭当日のプログラム
<ホール>
12:30 開会
5団体の発表【やまぶき道灌太鼓(和太鼓演奏)、岩槻黒奴保存会(奴振り演舞)、本格格闘甲冑集団―式―(演武)、上州真田武将隊(演武)、片野排禍囃子保存会(お囃子)】
14:25 講演
テーマ「戦国武将太田資正公の実像に迫る~戦国の世をいかに生きたか」(新井浩文・埼玉県地方史研究会会員)
15:08 パネルトーク
テーマ「太田資正公の魅力とこれからのまちづくり」(パネラー:柴田昌彦・中世太田領研究会、尾崎豊・松山城蹟保存会長、太田賢一・吉見町教育委員会、新井浩文・埼玉県地方史研究会会員、菊原佑介&栃内春香・若者代表)
16:00 閉会
<301会議室(12:30~14:30)>
・ワークショップ 伝令犬の絵付け
・紙芝居上演「戦国・智勇の将 太田資正」

●おわりに
次回『ら・みやび』5月号では、講演・パネルトークの様子を報告しながら、太田資正公の人物像など「太田資正公の魅力」について特集します。
【岩付城主太田資正公生誕500年祭実行員会】

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