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今回、取り上げるのは「自殺対策」です。
ここ数か月の間でも、何名かの著名人の自殺が報道されることがあり、とても残念で悲しい気持ちになった方もいらっしゃるかと思います。
コロナ禍による外出機会の減少が原因となっているのかどうかは不明ですが、昨今の社会課題として大切なテーマであることは間違いないと思っています。
そのため、みなさんも社会課題である認識を持っていただき、身近にいる大切な人が悩んでいたら手を差し伸べて救っていただけると嬉しいです。
尚、本稿で扱うデータはすべてさいたま市のホームページからダウンロードできる「第2次さいたま市自殺対策推進計画」を参照しています。
■さいたま市の現状
まず、さいたま市全体の自殺者の推移(図1)をご覧ください。
さいたま市は、年々減ってきているということがグラフから分かります。
しかし、勘違いをしてはならないところがあります。
それは、亡くなられた方は二度と戻ってこないということです。
そのため、亡くなった方の人数が積み上がっていく累計者数のグラフ(図2)に変換して見ていただくと、平成21~27年の7年間で計約1700名もの方が自ら命を絶っていることが分かると思います。
そのため、毎年の自殺者を減らすのではなく、ゼロにするということが自治体として最終的に求められているのではなかと思います。
■区別の現状
さらに、その中でも、さいたま市の区別自殺者数と区別自殺死亡率の現状(図3〜4)をご覧ください。
岩槻区は自殺者の総数で比較すると4番目ですが、自殺死亡率で比較をすると1番目となっています。
区ごとで若干のばらつきがあるのが分かると思います。
しかし、どの区でも男性の割合が多いことが特徴となっています。
そして、このように自殺に至るまでには、いくつもの要因が重なることが挙げられます。
NPO法人 自殺対策支援センターライフリンクがおこなった自殺の実態調査から、図5のようにプロセス化することができると分かっています。
円の大きさは発生頻度を表して、矢印の太さが因果関係の強さになります。
また、この実態調査から、自殺で亡くなった方は「平均して4つの要因」を抱えていたということが分かっています。
さいたま市では、こうした現状の課題に対して下記のような取り組みを行っています。
・自殺や心の健康などについての正しい知識の普及啓発
・児童生徒の自殺予防に資する教育の実施
・市民の身近な相談窓口におけるゲートキーパーの養成の促進
・ライフステージに応じた相談窓口の充実
こうした取り組みは、決して派手ではありませんが、市民の命を守るという観点から大切な取り組みであると思っています。
時代の変化が激しく、先の見通せない社会となっていますが、自ら命を絶つ方がゼロになる社会になるといいなと願っています。
【尾舘祐平】
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