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アドリブ力はこれからの社会で必要とされ、その力は基礎基本があってはじめて発揮されると説明してきました。
「そんなこと言っても小学校や中学校の勉強にアドリブまで必要ないのでは。」
と思われる方も多いでしょう。
確かにジャズの名手たちのアドリブはどう演奏しているのかも分からぬ程の高度な名人芸。
それを子供に要求するのは学校教育、特に義務教育では必要はないと思うのは当然です。
例え大人であったとしてもマイルス・デイビスやジョン・コルトレーンのアドリブは、真似しろと言われてもできるものではありません。
ましてやそのようなレベルを子供に求めるのは無謀です。
しかし、それでもジャズで培われるようなアドリブ力を育てていくことはこれからの社会を生きる子供たちには絶対に必要だと思うのです。
学校で行われている教育は文部科学省が出している「学習指導要領」に基づいています。
その学習指導要領が改訂され、小学校段階から「外国語」が教科となったり、プログラミング学習が導入されたりと学習内容が大きく変わってきています。
その背景にあるのは「予測困難な時代」なのです。
AIを始めとする技術革新が今の社会に怒涛のように押し寄せてきています。
また、民主主義を始めとする人類が多くの犠牲を払って培ってきた考え方が世界中で崩れはじめています。
そのような予測できない進化と退化が渾然一体となっている社会で子供たちは生きていかなくてはならないのです。
既存の知識だけを必死に覚え、これまで良しとされたルールをひたすら守っているだけでは先に進むことができない時代に突入したのです。
そのような時に必要な力が「アドリブ力」なのです。
学んだ知識を基に新たな知識を生み出し、これまであったルールをよりよいものに変えていく。
そんな力を今こそ子供たちに付けていかなければならないと思います。
新たな知識やルールを生み出す力=「アドリブ力」は小中学生にこそ必要とされているのです。
【「共栄大学客員教授・岩槻Jazz 代表」今村信哉(Shinya Imamura) 】
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