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あじさいは「藍色が集まったもの」という意味の「あづさい(集真藍)」から名付けられたといわれます。
英名のハイドランジア(Hydrangea)は、ギリシア語の「水の器」が語源です。
現在多く使われる「紫陽花」は、平安時代の学者・源順(みなもとのしたのごう)がこの字を当てたことで広まったとされます。
あじさいは土壌の性質や、咲いてから散るまでの間に花の色を変えることから「七変化」の別名もあります。
酸性の強い日本の土壌では青~青紫が多く、アルカリ性の強いヨーロッパの土壌ではピンク~赤紫が多くみられます。
変わりやすい色合いは、花言葉の「変わりやすい心」を連想させます。
青みがかった花だと「高慢、辛抱強い愛情、冷たい美しさ」を表し、日本では雨に耐え忍ぶ、美しい姿をイメージさせます。
ピンク~赤紫色の花だと「元気な女性」と、フランスでは表されます。
ヨーロッパの土壌では赤やピンクに色づきやすく、現地の開花時期はカラリとしてとても過ごしやすい、穏やかな季節なのです。
日本であじさいが咲くのは梅雨どき。
雨の日が続くと憂鬱になります。
つかの間の曇り空では日の光が淡く、濡れたあじさいの姿はいかにも涼しげで、まるでそれは雨の景色のようです。
傘にあたる雨の音を聞きながら、道で見かけるたびに「雨も悪くないかな」といつも思うのです。
【詩人・大野弘紀】
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