みなさんは「災害が発生しても、避難所に行けばなんとかなる」と思っていませんか?
毎年の防災訓練に行くと、備蓄してある水やクラッカーがもらえるので、そう思っている人が多いのは仕方ないかもしれません。
コロナ禍の今、避難所に多くの人が集まれば3密は避けられません。
避難所ではまず体温測定がされるので、もしかぜで微熱やせきの症状があれば体調不良者として別室に隔離されます。
個室を確保する余裕はないので、そのなかにコロナウイルスやインフルエンザの感染者が一人でもいれば、周りの人が感染して命を落とすことにもなりかねないのです。
停電や断水で暖房もない中、冷たい体育館の床に毛布1枚で夜を明かせば、それだけでも多くの避難者が体調不良になるでしょう。
先進国では「TKB48」という基準があり、発災後48時間以内に、T(トイレカー)、K(キッチンカー)、B(折り畳みベッド)が避難所に届くようになっているのですが、日本には導入されていません。
体育館の床に雑魚寝という避難所の劣悪な環境は、昭和34年の伊勢湾台風の頃からほとんど改善されていないのです。
あなたが地震でも壊れないマンションや、耐震基準を満たしている家に住んでいるなら、快適とは言えない避難所にわざわざ行くのではなく、自宅に備蓄した食料や水を使った避難生活をすることをぜひ考えてみてください。
そういった備えがないため避難所に行っても「すでに避難者でいっぱいです。マンションン住民ならお帰りください」と言われる事態が今は十分考えられるのです。
詳細については、釜石徹著「マンション防災の新常識 逃げずに留まる在宅避難
をぜひお読みください。
マンション住民でなくても使える具体的な防災ノウハウが満載のため、11月7日に発売された直後からベストセラーになっています。
【さいたま市防災アドバイザー・加倉井 誠】
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