元荒川治水対策の要 越谷レイクタウン

千葉県に大きな被害をもたらした2019年の台風19号。
その台風で埼玉県の元荒川にも危険が迫っていたのをご存じでしょうか?
千葉県民が長期間の停電で苦しんでいた頃。
越谷レイクタウン付近を流れる元荒川で、堤防の下から水が染み出しているのを越谷市民が発見。
すぐに地元の市議会議員に連絡しました。
越谷市役所は即座に原因調査を開始。
まず浸水の現場に土のう袋を積み上げ、水の侵出を食い止める応急措置を行いました。
幸いなことに、堤防から染みだした水は、元荒川から染み出したものではなく、堤防にしみ込んだ雨水が流れ出たものと判明。
後日、流れ出た水を排水する側溝の工事が行われました。
越谷市は古くより「水郷こしがや」と呼ばれ、水田が広がる田園地帯でした。
しかしながら、市街化の急激な進行とともに、水田があった当時の遊水機能が低下し、豪雨をともなう台風時にはたびたび浸水被害が生じるようになりました。
そこで昭和63年4月に、治水対策を目的とする河川事業による調節池建設と、新市街地整備を一体的に行う「レイクタウン整備事業」が国の新規事業として決まりました。
こうして建設された新しい街がレイクタウンで、その街の顔である中心部の大きな池が平成26年10月に完成した「大相模(おおさがみ)調節池」です。
池の普段の水深は1・5mですが、大雨の時は元荒川から水を取り込み、最大で水深5mまで水を貯めることができます。
このときの水量は最大120万立方メートル、50mプール約800杯分(東京ドーム一杯分)にもなります。
最近では、大雨が予測される前に計画的に放水して水位を下げておき、より多くの水量をため込むことも可能となりました。
このレイクタウンでは、毎年5月の土日に、大規模な防災訓練である「レイクタウン防災フェス」が行われています。
越谷市消防局、埼玉県警察、自衛隊、日本赤十字社など各部門のスペシャリストが参加。特殊車両や水陸両用車両、最新の防災グッズや災害食、ドローンやアウトドア防災、ペットとの避難方法など、楽しく防災・減災を学べる企画や展示を行っています。
埼玉県の防災ヘリが目の前で飛び立つ姿は感動します。
来年5月はぜひ家族で行ってみましょう。
【さいたま市防災アドバイザー・加倉井誠】

埼玉県防災航空隊

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