ジャズと教育「聴き合わなけりゃ始まらない」

私は荒れてしまった六年生を年度の途中から担任したことがあります。
担任だった先生が休職され、二学期からそのクラスを受け持ったのです。
なんとかその子供たちとの学校生活が軌道に乗り始めると子供たちの本音が出てきます。
「先生は僕たちの話を聴いてくれなかった。」と。
以前にも同じような状況のクラスを受け持ったことがあったのですが、そこでも子供達から同じような言葉を聞きました。
「大騒ぎして先生が話を聴ける状況にしなかったのはお前たちじゃないか。」
とその時言ってはみたものの、内心では子供達の心に自分の言葉を響かせるのは容易ではないなと感じておりました。
ジャズでも「聴く」は重要です。自由に演奏をしているように見えるソリストですが実は周りの音をよく聴いています。
もちろんバックで支える演奏者も同様にソリストの奏でる音をしっかり聴いています。
ソリストが表現したいことに反応して演奏を盛り上げる必要があるからです。
このようにしてバンドはお互いの演奏を聴き合いながらアンサンブルを創っていくのです。
教育でもジャズでも共通して大切なことは「聴き合う」ことです。
それぞれが主張だけしていては教育も音楽も成り立ちません。
お互いに相手のことをおもんばかって聴きあうことではじめて人を育てたり感動させたりすることができます。
これはジャズや教育だけの話ではありません。
人間が集まってつくる社会全てに当てはまるのではないでしょうか。
一番身近な社会である家庭でも、国という大きな単位でも同じだと思います。
立場や考え方は違っても互いに聴き合える温かな社会にしていきたいですね。
【「共栄大学客員教授・岩槻Jazz 代表」今村信哉(Shinya Imamura) 】

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