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1月に入り寒くなってまいりました。
空はより静寂を増したかのように澄み渡り月も凍てつくように光り輝いてまいりました。
そんな折この、「アート・ペッパー」が80年11月の日本公演で演奏して好評だったホーギー・カーマイケルの作品。「冬の月」ウインター・ムーンが思い出されました。
アート・ペッパーは1950年代に名をなし、ウエスト・コースト・ジャズのスターとして大活躍したが、麻薬中毒などで約半分近い年月を療養生活で費やし、ジャズの表舞台から遠ざかっていた。
1974年現夫人ロウリーというよき女性を得て奇跡的なカムバックを果たし、1982 年6月15日、脳溢血により日本のファンに惜しまれつつ死去。
さてこのアルバムですが、彼のカムバック6年後のアルバムで、以前のしなやかで、繊細でナイーブな演奏は、影を潜めジョン・コルトレーンのようなエネルギッシュなフル・トーンできわめて美しい音色で鳴るようにった。
ファンにとっては、カムバック以前のペッパーが好きという人と、カムバック後の方が好きだという人に分かれるようだ、私は両方好きだが、やはり、若いころの、繊細で瑞々しいペッパーの方が、好ましいのが、事実である。
この「ウインター・ムーン/アート・ペッパー・ウイズ・ストリングス」は、ペッパーのメロディックで美しい、しかも抒情的なアルトはストリングスのきめ細かいひびきとよく溶け合っており、繊細で、瑞々しい良さを良く引き出していて、余りある。
とくに「ウインター・ムーン」は神秘的で情熱的精神が良く出たプレイになっている。
他の曲も原曲の旋律を活かしながらもありきたりの演奏に終わらない独創的な演奏を展開し、新鮮な印象を受ける。
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