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今月は、ブルーノート・レーベルを立ち上げた、アルフレッド・ライオンの話から、セロニアス・モンクのアルバムの話を。
アルフレッド・ライオンは、1908年4月21日、ベルリン生まれ、両親の音楽好きの影響を受け、アメリカ行きを決意、ニューヨークへ上陸するが、移民ゆえの迫害を受け、惨憺たる暮しを幾年か辛抱し、結局ベルリンに戻ったが、祖国はヒトラーの率いるナチスが、全権を牛耳り、ユダヤ人は、迫害の憂き目にあっていた。
1933年、ライオンは母親とともに南米チリに、チリで数年を過ごし、彼らはニューヨークに移住、ジャズの中心地、ニューヨークに安住の地を見つける。
そんな折しも、38年12月23日、カーネギー・ホールで「フロム・スピリチュアルズ・トゥ・スイング」と題されたコンサートが行われ、そこで彼はブギウギ・ピアノのトリオ演奏を聴いた。
「アルバート・アモンズ」「ミード・ルクス・ルイス」「ピート・ジョンソン」の演奏を聴き、その2週間後に、いきなりブルーノート・レコードを設立した。
彼の趣旨は、ホット・ジャズ及びスイング・ジャズ全般において、妥協のない作品を世に送り出すことだった。
1947年、名テナー奏者アイク・ケベックの紹介で、ビ・バップ・ミュージシャン「タッド・ダメロン」「バド・パウエル」「セロニアス・モンク」といった新進プレイヤーに会い、この新しい音楽に傾倒していった。
その結果、47年9月26日に、ファッツ・ナバロをフィーチャーしたタッド・ダメロン・セクステットを10月から11月にかけてセロニアス・モンクの初レコーディングを行っている。
この時ライオンは、モンクの音楽の特異性、訴求力、烈しいスイング感にほれ込み、大方の酷評や淋しい売り上げにもめげず、ブルーノートは52年にいたるまで、この誤解された天才をバックアップし続けて行く。
ブルーノート様、このユニークな音楽をありがとう。
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